バスキュラーアクセスに
ついて

透析とは、体から一分間に150~250mlの血液を抜き出し、体に溜まった水分や老廃物を除去し戻す治療です。
そのため血液を抜き出し、戻す出入り口が必要となります。
その出入り口のことを「バスキュラーアクセス」と言います。

当院のバスキュラー
アクセスの特長

当院では、バスキュラーアクセスの管理を積極的に行っています。

維持血液透析のバスキュラーアクセスとして、おもに自身の血管を使用する内シャント(AVF)と人工血管を使用する内シャント(AVG動脈表在化・ステント留置)などがありますが、当院ではそれらのバスキュラーアクセスの管理を積極的に行っています。

日々の患者さまの相談や指導

当院では、視診、触診、聴診によるバスキュラーアクセスの確認をおこなっています。ご来院いただいた患者さまにお悩みをお聞かせいただき、日々相談や指導を行っています。

それぞれ患者さまに合わせた検査の実施

患者さまのバスキュラーアクセスの特性に合わせて、超音波検査や造影検査、再循環率の測定などを行っています。また、必要な場合は、動脈の検査も行います。

患者さまの負担の軽減や
将来のバスキュラーアクセスの状態を考察

現在使用しているバスキュラーアクセスの延命につとめ、PTA(経皮的血管形成術)や、血栓除去術の実施、やむを得ない場合はバスキュラーアクセスの再建術も行います。
患者さまへの負荷に配慮し、バスキュラーアクセスの管理から十分な血液透析効率を確保し、様々な2次的合併症の予防につとめることで患者さまの日常生活の動作維持・向上に繋げます。

バスキュラーアクセスの
方法

シャント(動静脈瘻)

シャントとは、動脈と静脈をつなぎ合わせて直接動脈の血を静脈に流れるようにしたものです。
透析治療のバスキュラーアクセスでは最も一般的な方法で、透析患者さまの約90%はこの方法で透析をしています。

動脈、静脈直接穿刺

手術はせずに今ある血管(動脈、静脈)に針を刺して血液を出し入れします。
手術が必要なく、緊急の透析に使えますが、動脈が深く穿刺や止血が難しいため、2~3週間しか使えません。
肘の動脈を使うことが多いです。

非カフ型カテーテル

局所麻酔を使って長さ約20cmの管を静脈に入れます。
二本の管が一本にまとめられており、一本から血液を出し、もう一本から血液を入れます。
太ももの付け根の静脈に入れるか、首の静脈に入れます。
良い所は短い時間で入れることができ、毎回針を刺さなくてもよいことです。
歩いたりトイレに行ったり座ったりできますし、短時間の外出も可能です。
悪い所は管を入れている間は、入院が必要で、お風呂も入れません。
管が詰まり感染を起こし易いため、2週間から1ヶ月ほどしか使用できません。
当院の透析センターでは、できるだけ使用しないようにしております。

上腕動脈表在化

心臓の機能が悪い方はシャント手術ができません。そのため、シャントの代わりとして、心臓に負担をかけない二の腕の深いところにある動脈を皮膚のすぐ下に持ち上げる手術を行います。
手術は局所麻酔で行います。1時間ほどで終了し、入院の必要はありません。
透析では二本の針を刺さなければいけませんが、この方法では一本はこの血管に刺し、もう一本は今ある静脈に刺します。
針を刺せる静脈がなくなると、この方法は透析には使えなくなります。

人工血管

皮膚の下の血管が無くなり、シャントも動脈の表在化もできなくなった場合、人工血管を腕に入れます。人工血管の種類はe-PTFEとポリウレタンの二種類があります。腕の人工血管移植の場合局所麻酔で約2時間かかります。長さは約40cmで傷は2~3ヶ所です。太ももの場合、腰の麻酔を行います。 入院は安全を考えて2週間ほど必要になります。

カフ型カテーテル

シャントが成長するまで、腎臓移植まで、あるいは心臓の機能が悪くシャントも人工血管も作れない方に入れる管(カテーテル)です。
右または左の頚(くび)から血管の中に入り、出口は右胸または左胸になります。透析の度に針を刺さなくてよいのですが右胸から約15cm管が出ています。お風呂に入ることはできますが、消毒法を指導させていただいております。平均で2年の使用が可能ですが、2~3週間で使用不可になる場合もあります。
人工物のためつまり易い、感染しやすいというデメリットがあります。

診療について

診療体制表

診療科
バスキュラーアクセス(透析) 午前 疋田 聡
予約制

第四火曜日

午後
診療科 バスキュラーアクセス(透析)
午前 午後
疋田 聡
予約制

第四火曜日