手の外科の特長
日本手の外科学会 認定の
専門医による治療を行います。
当院では、日本に約1,000名(千葉県では約40名)しかいない、日本手の外科学会により認定された専門医が患者さまの治療を行います。
※一般社団法人 日本手外科学会HPはこちら
手の外科で扱う疾患と外傷
透析手の外科、切断指、神経損傷、腱損傷、舟状骨骨折、舟状月状骨間離開、橈骨頭骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨顆上骨折、三角線維軟骨損傷、遠位橈尺関節損傷 などの外傷、 肘部管症候群、手根管症候群、腕神経叢損傷などの神経障害、ドケルバン病、ばね指、上腕骨外側上顆炎などの炎症性疾患、小児弾発指、合指症、多指症などの先天性小児疾患、ガングリオンなどの腫瘍、爪の変形、関節の拘縮、変形性関節症、デュピュイトラン拘縮、キーンベック病などがあります。
代表的な疾患・治療
手の疾患(痛み)について
- けがの後や原因不明の手や腕の激しい痛み
-
複合性局所疼痛症候群
Complex regional pain syndrome: CRPS小さな外傷や手術、注射、関節痛の後などに発生する激しい痛みが特徴です。通常では考えられないほどの痛みがあり、さわれない場合もあります。なかなか診断がつかないこともあります。
-
左上肢CRPS
手が痩せており、レントゲンでも骨が痩せている
-
症状
けがや注射のあと、あるいは原因のはっきりせず、激しい痛みがあり、夜も眠れない状態が見られる場合もあります。 痛い腕に汗をかいたり、触るだけで痛いなどの症状が見られます。 病院へ行っても 「なんでそんなに痛いのかわからない」、などといわれていることもあります。ひどい場合には、精神科の受診を勧められる場合もあります。
-
診断
発汗の異常(異常に汗をかく)や知覚の異常(触るだけで痛い)、手や腕が痩せる、骨が萎縮するなどにより診断します。いくつかの診断基準が示されています。
-
治療
よく、この病気を理解して、治療することが大切です。 理学療法、神経ブロック、点滴などにより治療します。 できるだけ早期に発見して、治療することが大切です。 進行している場合には治療に時間がかかりますが、徐々に改善してきます。
-
- 手首をひねると痛い
-
三角線維軟骨損傷
手首の小指側には三角(さんかく)線維(せんい)軟骨(なんこつ)といわれる、クッションの役目をしている靭帯組織があります。ころんで手をついて傷つくことがあります。慢性的に手首の小指側が痛くて、手をひねることができない、手がつけないといった症状が見られます。
-
TFCC 損傷
TFCC に穴が開いているのがわかります。 -
手関節鏡による治療
直径3ミリ以下のカメラで関節内を観察して、手術します。
-
症状
転んで手をつくなどして、手首の骨の間に三角線維軟骨(TFCC)が強くはさまれ傷つく場合と、手の使いすぎにより、徐々に痛んでくる場合があります。
-
診断
多くの場合には 手首をひねると痛い、痛くて手がつけないなどの症状があります。
-
治療
はじめは、手首を安静にして経過を見ます。時に炎症を和らげる注射をしたり、塗り薬で炎症を抑えたりします。多くはこの方法により3ヶ月程度でよくなります。
-
手術
3ヶ月を過ぎても症状がよくならない場合や、痛みが強い場合には、関節鏡という小さなカメラで、切れた三角線維軟骨を修復したり、傷んだ部分を切除したりして治療します。数箇所の5ミリ程度の切開により行います。
-
- 慢性的な手関節の痛み
-
キーンベック病
手の関節を作っている手根骨のうち、月状骨と言われる骨の血流が悪くなり、痛みを生じます。手をつくと痛いという症状があります。
-
月状骨はレントゲンでは白く変化しています。
-
月状骨はMRIでは黒く変化しています。
-
原因
月状骨に過剰な負担がかかることで生じるといわれています。 骨のバランスが悪かったり、大工さんなどの手を使う仕事などで負荷がかかることで生じます。
-
症状
慢性的な手関節の痛みや動きの制限が見られます。
-
診断
診断にはレントゲン検査のほかにMRI検査があります。MRIではごく早期に診断ができます。
-
治療
装具による治療があります。改善がみられない場合には、骨のバランスを整える手術や関節を固定したり、血管付の骨を移植したりする方法があります。
-
- 指や手の皮膚が硬くしこりとなり指が伸びない
-
デュプイトラン拘縮
手のひらや指の根元に近い部分に生じたしこりが皮膚とともにつっぱり指が曲り伸ばしにくくなる病気です。特に小指や薬指に、女性よりも男性に多く生じます。痛みはありませんが進行すると指が伸びなくなります
-
手術前:皮膚のしこりがつっぱってしまい、指が伸ばせない
-
手術後:皮膚のしこりを神経や血管と丁寧に剥離して切除することにより、皮膚のつっぱりがとれ、指が十分に伸ばせる
-
原因
不明ですが、アルコール依存、糖尿病などが関連するといわれています。
-
診断
多くは小指側の手のひらから指にかけて、かたいしこりを触れ、つっぱって指が曲がり、伸ばせなくなっていることで診断します。痛みはありません。
-
治療
はじめは、ぬりぐすりなどを使用して経過を見ます。
-
手術
指が曲がり、固まってきた場合には手術を行うことになります。皮膚の下にある手掌腱膜(しゅしょうけんまく)に結節が生じ、これが索状(さくじょう)に広がって指の皮膚とともにつっぱっています。進行している場合には指の神経や血管をらせん状に巻き込んでいる場合もあり、手術では、この索状物を顕微鏡や拡大鏡で丁寧に剥離し、神経障害が起きないように切除します。つっぱった皮膚のZ形成術などを行うことがあります。
-
- 親指を伸ばすと痛い、物をつかむと痛い
-
ドケルバン病
親指の長母指外転筋(ちょうぼしがいてんきん)、短母指伸筋腱(たんぼししんきんけん)は第一コンパートメントというトンネルを通っています。ここで炎症が起きると、親指を動かすたびに痛みがあり、日常生活に困難を生じます。注射でよくなりますが、なかなかよくならない場合には手術を行うこともあります。
-
原因
日常生活での手や指の使いすぎがおもな原因です。
-
診断
親指を動かしたり、物をにぎってひねったりすると、手首の親指側に痛みがあります。
-
治療
はじめは、腱鞘(けんしょう)というトンネルに炎症を和らげる注射をしたり、塗り薬で炎症を抑えたりします。多くはこの方法でよくなります。
-
手術
なかなか症状がよくならない場合や、痛みが強い場合には、腱鞘(けんしょう)を切開して治療します。手術時間は10分程度です。手術の傷は2週間程度で治ります。 腱の間に隔壁(かくへき)と言われる壁がある場合にはなかなか注射ではよくなりません。
-
- 指を曲げると痛い
-
ばねゆび
指の関節は屈筋腱(くっきんけん)が指の骨を引っ張ることで曲がるようになっています。屈筋腱(くっきんけん)はいくつかの“腱鞘(けんしょう)”というトンネルの中を通っています。この“腱鞘(けんしょう)”で炎症が起こると“腱鞘炎(けんしょうえん)”となります。この“腱鞘炎(けんしょうえん)”により狭くなった腱鞘(けんしょう)に屈筋腱(くっきんけん)が引っかかる現象を“ばね現象(弾発(だんぱつ)現象)”といいます。引っかかった屈筋腱が通り抜けるときに、ばねのように指がはねることから名前がついています。
-
鏡視下手術では、通常の手術より小さな傷で、はやく水仕事ができます。
-
原因
日常生活での手や指の使いすぎがおもな原因です。
-
診断
朝起きたときに指が曲がったままになっていて、のばすとパチンと音がして痛みをともない、ひどい場合には痛くて伸ばせないといった症状がみられます。慢性期には、引っかかったままになったり、伸ばすたび、曲げるたびにパチンと音がしたりします。
-
治療
はじめは、腱鞘(けんしょう)というトンネルに炎症を和らげる注射をしたり、塗り薬で炎症を抑えたりします。多くはこの方法でよくなります。
-
手術
なかなか症状がよくならない場合や、痛みが強い場合には、腱鞘(けんしょう)を切開して治療します。手術時間は10分程度です。手術の傷は2週間程度で治ります。 小さなカメラを使い腱鞘を切開する鏡視下腱鞘切開術も行うことができます。傷も小さくより早く水仕事に復帰できる利点があります。
-
- 指の第一関節が脹れて痛い
-
へバーデン結節
指の一番先の関節が脹れて痛い、曲げると痛い、などの症状に続いて、関節が変形してきます。指をよく使うひとに発生する場合もあります。
-
指の第一関節のはれや、痛みがある。
-
Mucous cyst がみられる。
-
原因
中年以降の女性に発生することが多いといわれています。指をよく使う人に発生することもあります。現在のところはっきりした原因はわかっていません。
-
診断
指の第一関節(DIP関節)に発生し、腫れや痛みが見られます。 慢性関節リウマチと区別する必要があり、血液検査が必要なことがあります。また、この関節の部分がはれて、水がたまることがあります(mucous cyst)。レントゲンにより関節の変形性関節症性変化を見ることがあります。
-
治療
関節の変形が進行すると痛みがなくなる場合もありますが、痛みが持続する場合もあります。塗り薬で炎症を抑えたり、鎮痛剤を服用したりします。多くはこの方法でよくなります。また、テーピングによる固定などがあります。
-
手術
なかなか症状がよくならない場合や、痛みが強い場合には、関節内を掃除したり、関節を固定したりする手術により治療します。
-
- 手をつくと痛い
-
手根骨間靭帯損傷
手首には8個の手根骨と言われる小さな骨が、手根骨間靭帯によりつながり、手首の動きにともなって動いています。ねんざなどで、手根骨のつながりがたたれると、慢性的な手首の痛みや、手をひねることができない、手がつけないといった症状が見られます。放置すると変形性関節症へ進行していく場合があります。
-
舟状月状骨間靭帯損傷
-
原因
転んで手をつくなどして、手首の骨をつなぐ靭帯に強い力がかかり、靭帯が切れることで発生します。
-
診断
多くの場合には痛くて手がつけないなどの症状があります。 レントゲン検査や、痛みを誘発するテストやMRI、関節鏡検査などにより診断します。
-
治療
症状がある場合には、関節鏡という小さなカメラで、切れた靭帯を確認して、固定したり、靭帯を再建したりする必要があります。
-
- 手でたたいた後、手の痛みがとれない
-
舟状骨骨折
手の親指の付け根に痛みがあります。ねんざとしてシップで様子を見ていることがあります。レントゲン写真で骨折がはっきりしないことがあります。
-
手首のねんざとしてシップをしていましたが、痛みが改善しませんでした。
-
舟状骨骨折と診断してスクリュー固定を行いました。
-
原因
スポーツや交通事故などで手をついた時や強くこぶしでたたくことなどで起こることがあります。
-
診断
多くは親指の根元に痛みがあり、捻挫として放置されていることもあります。親指の付け根のへこんだところを押すと痛みが見られます。
-
治療
骨折にずれがなければ、ギプスで固定します。固定期間は長いと3ヶ月近くを必要とします。この舟状骨は血液の流れが悪いため、骨が付きにくいと言う特徴があります。
-
手術
骨折のずれが見られる場合や早期に運動を行うなどの場合には手術を行うことになります。レントゲンを見ながら皮膚に小さな切開をつくりスクリューを挿入して固定します。数週で手が使えるようになることが一般的です。
-
- 手をついて転んだら手首がはれて痛い
-
橈骨遠位端骨折
手首の骨折の多くは、橈骨骨折です。コレス骨折などといわれています。見た目にはフォークのように折れ曲がった変形が見られます。放置すると、変形したり、手首が回らなくなったりするので、きちんと治療を受けることが必要です。
-
フォーク状の変形
-
手術後
-
原因
転倒し手をつくことでおこります。骨粗鬆症によりおこりやすくなります。
-
診断
多くの場合には フォークのような変形、腫れと痛みがあります。
-
治療
麻酔をして、骨を元の形に治します。元の形に治ることで、腫れや痛みもよくなります。そのままずれなければ、ギプスで治療します。約一ヶ月程度の間ギプスをします。
-
手術
なかなか骨の形がもとに戻らない場合や早く手が使いたい場合には、手術により固定します。 手術は一時間程度です。 翌日には、リハビリを行い、一週間で少しずつ手が使えるようになります。
-
手のしびれについて
- 腕がしびれる、だるい、肩こりがある
-
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
鎖骨、第一肋骨、前、中斜角筋でつくられるトンネルが胸郭出口(きょうかくでぐち)です。 首から出た神経が、この胸郭出口(きょうかくでぐち)を通過するときに障害をうけて、上肢の痛みや痺れを訴えるのが胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)です。とくに、やせて首が長いなで肩の女性に多く見られ、また筋肉の発達した男性に見られる場合もあります。
-
症状
肩こり、手の痺れ(特に小指側)、腕のだるさなど。 手で物を持って下げることや、同じ姿勢で手を使った仕事を続けることなどによって腕全体のだるさ、痺れや痛み、肩こりなどが見られます。 猫背であごを突き出すような不良姿勢ととっていることが多くみられます。症状は午後、夕方に強くみられます。
-
診断
鎖骨の下を押すと痛みが見られることがあります。また手を上に上げた姿勢でいると、手がしびれて耐えられなくなることがあります。
-
治療
理学療法や、ビタミン剤の投与を行います。また運動療法、姿勢矯正の指導などや装具による姿勢矯正などが治療の基本となります。症状に応じてブロック注射などが効果のあることがあります。
-
- 手の指のしびれ
-
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
手根管(しゅこんかん)は、手のひらの付け根にある骨と靭帯が形作るトンネル状の腔間(くうあいだ)です。この中を通る正中(せいちゅう)神経が圧迫されると、親指、人さし指、中指、薬指の親指側でしびれや痛みを感じます。これが 手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)です。手を使い過ぎた後や、早朝にしびれ、痛みを覚えることがあります。圧迫が進むと、親指の付け根の筋肉(母指球筋(ぼしきゅうきん))がやせて、ものがつかみにくくなります。
-
原因
農作業、キーボード操作などで手の使いすぎ、腱鞘炎、手首の骨折による変形、人工血液透析、糖尿病・関節リウマチなどにより手根管が圧迫されておこります。女性では妊娠、出産期や更年期などホルモンの変化によって発生する場合もあります。
-
診断
手首を曲げる状態を続けることでしびれが増強するファレンテストや、手首の中央部分をたたいて、手指に痛みがはしるチネルズサインがあります。神経の伝わり方を電気により測定することで、神経の障害の程度を知ることができます。
-
治療
数多くの治療経験から手根管症候群を三段階にわけています。しびれだけの第一段階では、固定や理学療法により4ヶ月程度で改善しますが、しびれや痛みに耐えられない場合や進行して第二、第三段階となった場合には、神経に対する圧迫を取り除く手術をすることになります。進行すると手術をしても神経が満足に回復しない場合もありますので、なるべく早期に手術を受ける必要があります。
-
手術
当院では、手のひら部分の皮膚を2cmほど切開し、拡大鏡を用いて神経を圧迫する靭帯を切開する最小侵襲手術(さいしょうしんしゅうしゅじゅつ)を行っています。時間は10~20分程度です。症状の改善には、個人差があります。
-
- 小さなけがのあと、指がしびれる
-
神経損傷
指神経はそれぞれの指の左右に一本ずつあります。神経が切れると指の触った感覚がなくなり、細かい動作がしにくくなります。異常感覚が生じると指が使えなくなることもあり、重大なけがといえます。小さな傷でも神経が切れている事があります。
-
親指の付け根をナイフで切った。近くの救急当番で皮膚縫合を受けたが指先のしびれが、続いていた。そこで傷を開放したところ橈側(とうそく)の指神経が切断されていた。ただちに顕微鏡下に神経縫合術を行った。
-
原因
手や指の神経や血管は意外に皮膚のすぐ下を走っています。日常生活でのちょっとした怪我でも、神経や血管を傷つけることが多いのです。
-
診断
怪我の場所、深さにより判断できます。専門医以外に処置を受け、心配な場合には専門医を受診します。
-
治療
完全断裂があればただちに縫合します。 時間がたっている場合には、縫合ではなく神経移植などを必要とします。
-
- 小指がしびれる
-
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘の内側には肘部管(ちゅうぶかん)といわれる、骨と靭帯で形成されるトンネルがあります。このトンネル内を尺骨神経(しゃくこつしんけい)が走行しています。机の角などに肘の内側をぶつけると小指にまでビリッと電気が走る神経です。ここで尺骨神経が圧迫されると、手の小指側の感覚がなくなり、手のなかの小さな筋肉が麻痺してしまうため、ハシを使うなどの細かい動作がしにくくなります。これが“肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)”です。
-
原因
肘の変形性関節症やガングリオンなどのおできによって起こることがあります。子供のころ肘を骨折していたり、肘や手を使う肉体労働に長い間たずさわっていたりする人に発生することが多いです。
-
診断
多くの場合には 小指のしびれ、手が使いづらい、手がやせてきたといった症状がみられます。進行すると小指や薬指が曲がったままになって、伸びづらくなります。また、首などのほかの部分での障害が合併している場合があります。
-
治療
ごく初期には、理学療法や、ビタミン剤の投与を行うこともありますが、ほとんどの場合、手術が必要になります。手術は早い段階で行ったほうが、回復も早く、手術後の経過もよいことがわかっています。いたずらに、手術を引き伸ばすのは、かえって悪い結果を残します。
-
手術
靭帯を切開してトンネルを広げたり、尺骨神経を移行したりする方法があります。
-
手の腫瘍・切断・変形について
- 手の腫瘍
-
手や指のしこり
手にはさまざまな腫瘍(おでき)ができます。ほとんどの場合は良性の腫瘍です。 例えば、神経鞘腫(痺れが見られたりします)、 グロームス腫瘍(激しい痛みが見られます)、ガングリオン(しこりとして触ることが多い) 、内軟骨種(手に多い骨腫瘍です)、等が上げられます。
-
治療
おできの硬さや、できた部位、レントゲン、エコー、MRIなどによりある程度診断します。経過を観察するだけでよい場合もありますが、多くの場合には手術により切除して病理診断します。手術は神経や血管を傷つけないように慎重に行います。
-
- のこぎりで指を切った、落としてしまった
-
切断指
指には骨、腱、神経、血管などがあります。不幸にして、怪我(けが)により指を切断してしまった場合には、これらの構造物をすべて修復する必要があります。 とくに血管は、修復が困難で、顕微鏡を使って慎重に縫合する必要があります。
-
のこぎりで誤って小指を切断。
ただちに手術し、生着しました
-
原因
多くの場合には、電動のこぎりなどにより受傷します。まれに、指をドアに挟んだりといった日常生活で発生する場合もあります。
-
診断
直ちにタオルなどで傷口を押さえ出血を止めます。 切断してしまった指は、ガーゼに包み、ビニールの袋に入れ、口をしばり、さらにそのビニール袋ごと、氷で冷やして、平山病院などの顕微鏡手術のできる病院へ直ちに受診します。 直接切断した指を水につけてはいけません。 自信が無い場合には、直ちに止血して、救急車を呼びます
-
治療
指がつぶれている場合で無ければ、再接着を行い、指をくっつける手術を行います。切れた面が、きれいであれば、ほぼ100%に近い生着率です。
-
- 子供が骨折後、肘が曲がった
-
内反・外反肘変形
子供の肘の骨折のあと、肘が内側や外側に曲がってしまうことがあります。特に障害はありませんが、見た目が悪く、また腕立て伏せができないといった事もあります。ほっておいても、良くも悪くもなりません。骨のくっつきやすい子供の時期に骨をまっすぐにする手術を行う場合が多いです。
-
右肘
右肘は上腕骨で内側に曲がっています。 -
左肘
-
原因
肘の骨折のあとに起こります。
-
診断
レントゲンを撮って、変形の度合いを測定します。
-
治療
手術により骨を矯正します。
-
- 生後よりの指の変形
-
母指多指症など
指におこる先天性の特殊性についてはさまざまなものがあります。 特に遺伝する要素を持たず、特発性に見られる場合があります。
-
母指多指症
-
過剰指の切除、外転筋の再建、皮膚の再建を行う。
-
原因
はっきりした原因がなく特発性に生じる事が多い。
-
治療
さまざまな状態に応じて治療を行います。手術を行う場合には、麻酔や手の発達を考慮して手術を行います。
-
手術
過剰な指を切除して、機能を再建するなど、それぞれに応じた再建術を行います。 成長後に再度手術が必要な事があります。
-
- 指や手を切ったあと指が曲がらない
-
屈筋腱損傷
指の関節は屈筋腱(くっきんけん)により曲がるようになっています。 カッターなどで切った小さな傷でも、屈筋腱を損傷することがあります。自分の力で指が曲げられなくなり、適切な治療を受けないと、生涯にわたり指の動きが悪くなる、重大なけがです。
-
包丁によって受傷し、ただちに手術を行った。
手術後、リハビリを行い、手術後3か月で、指の動きは元に戻った。
-
原因
刃物による手や指のけがによっておこります。
-
診断
傷の位置や、指の動きを丁寧に診察することで診断がつきます。
-
治療
手術により切れた腱を縫合します。 屈筋腱の縫合は非常に難しい技術が必要です。また、神経損傷があれば同時に修復が必要です。早期にリハビリを開始する方法もあり、良好な結果が得られます。
-
透析患者さまの手のトラブルについて
- 透析患者さまの手のトラブル
-
透析患者さまは透析歴が長くなると手のしびれ、痛みなどの手にトラブルがみられることがあります。これは、透析アミロイドーシスといわれる症状であり、早期に治療を受ける必要があります。
詳しくはこちらをご確認ください。
担当医一覧
-
担当医
渡邉 寛
経歴
- 1990年 山梨医科大学 医学部卒業
- 1994年 山梨医科大学大学院研究科(博士課程)卒業 医学博士
- 1994年〜2005年 山梨医科大学 整形外科学教室
- 2002年 mayo clinic, Rochester USA
日本整形外科学会専門医
日本手外科学会専門医
日本リハビリテーション医学会専門医
日本リウマチ学会専門医
専門分野 手の外科 マイクロサージャリー
山梨医科大学整形外科教室、mayo clinic, Rochester USAにて手外科の診療、研究に携わり日本手外科学会、日本マイクロサージャリー学会、AOSなどの学会にて発表、シンポジストを務め、学術論文も多数発表。
診療について
診療体制表
診療科 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
手の外科 | 午前 | 渡邉 寛 | 渡邉 寛 | 渡邉 寛 | |||
予約制 | 予約制 | 予約制 | |||||
午後 | |||||||
診療科 | 手の外科 | |
---|---|---|
午前 | 午後 | |
月 | 渡邉 寛 | |
予約制 | ||
火 | ||
水 | ||
木 | 渡邉 寛 | |
予約制 | ||
金 | 渡邉 寛 | |
予約制 | ||
土 | ||
外来受付